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短い名文を読んで(傾聴コーチング) [ワーク・講座・勉強会・イベント]

今日はいつも以上に肩の力を抜いた講座になりました。
子供の音読テキストから近代文学の名文を元に、感想をわかちあいながら、
自分の気持ちの中に湧きおこる変化を楽しみました。


『放浪記』林芙美子

『伊豆の踊子』川端康成



放浪記

海が見えた。
海が見える。
五年振りに見る尾道の海はなつかしい。

汽車が尾道の海にさしかかると、
煤(すす)けた小さい町の屋根が
提灯(ちょうちん)のように拡がってくる。
赤い千光寺の塔が見える。

山は爽やかな若葉だ。
緑色の海の向こうにドックの赤い船が
帆柱(ほばしら)を空に突きさしている。

私は涙があふれていた。

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